東京の都心では散り行く桜の花びらの向こうに新緑をたたえた若葉がまぶしい。ぎこちなかったオフィス街の新人たちの真新しいスーツも心なしかなじんできたように見える。シニア世代は自分の新人時代を重ねて感慨を覚えるだろう。
スーツとネクタイは職業人として社会に仲間入りする現代の通過儀礼の象徴ともいえる。その常識に挑戦したのがニッポン放送の買収で脚光を浴びるホリエモン。Tシャツにジャケットでスーツ族と渡り合う姿は、IT業界から既得権益の壁に立ち向かうビジネス戦争の若い戦士というイメージを十分かきたてた。
ラフな服装で公の場にのぞむ32歳に不快感を隠さない声も産業界に少なくなかったが、ノーネクタイの「六本木ヒルズ風」は権威におもねない新世代が生んだ新たなオフィス風俗だろう。もしネクタイ派をしのぐ勢いになれば日本の企業社会の眺めも一変する。
職場のスーツを巡る情けない事件も起きた。大阪市職員への過剰な福利厚生支出で明るみに出たスーツの支給で、国税当局がこれを「給与」と認めた。源泉徴収漏れの総額は約3億円にのぼる。私服を「制服」という名目にして税金で賄おうというのは品のない心根であり、裏切りである。職場の服装は「仕事」に向き合う個人と組織の鏡であることを忘れまい。
以上4/16・・・日経新聞春秋より抜粋
ノーネクタイ姿もカジュアル姿も勝てば官軍になってしまうのが、歴史の常、世の常なのかと
■参考に・・・堀江社長の服は、ルイビトンとジルサンダーを愛用しているとのこと。ルイビトンは六本木ヒルズに入っているので着用しているとか・・
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